~桜花~




「あぁ、それなら色摩じゃない?」




「しかま?」




「色摩要、あれだよ」




指をさされた方向に視線を向けた。




黒髪で長身、図書館で見た時顔とは少し違って、いきいきとドリブルをしてゴールに向かっている。




相手チームの男子をすらりとかわし、腕を伸ばして放ったボールは綺麗に弧を描いてゴールに入った。




「あの人ってバスケ部?」




「さぁ?それは知らないけれど、あいつちょっとした有名人」





「有名人?」