~桜花~





少し暗いけれど、その中でも分かる。



鋭い眼光。



低い声。



ビビるのに必要な条件はそろっている。



「あの、私は..」




名前を言いたいのにうまく言えない。




男の子は黙ったまま私を見つめる。




じっくり見るとかなり容姿が整っていることが分かる。




シャープな輪郭、鋭いけれど綺麗な瞳。




だからといって怖いのがなくなるわけではないけれど



「おい、お前」




私も何か言わなきゃ、声を出そうとしたその時




「一年一組四月朔日楓夏さん、いますぐ第二図書館へ来い!」