ここには私しかいないと思っていたけど もしかして誰かいるの? そう思ったのと同時に思い浮かんだのは もしかしてお化け? 古い建物にはこういうものはツキモノだし、昨日夜見たホラー映画が鮮明に蘇る。 びくびくしながら中に進むと。低い男の人の声が聞こえた。 「くそ、本並べ過ぎなんだよ」 男の子の声。 周りには本がたくさん散らばっている。 しゃがみこんで拾おうと手を伸ばすといきなり声がした。 「誰だ」