「面――――っ」




声と同時にスパンっと気持ちのいい音が相手の防具の上に当たった。




「それまで!」




審判の人声で相手も自分も動きを止め中央部分に向かう。
旗を上げたのは赤い方..つまり私が所属している剣道部の勝利だ。



しんと静かな体育館。誰も声を発しない。



それなのに、自分の息遣いだけが響いているようにさえ感じてしまう。