~桜花~




お互いに礼をして、自分の場所に戻る。



「やっぱり凄いよ、楓夏は」



防具を取ると、静がにやにやしながら私の肩を叩いた。



「ううん、そんな事ないよ」



「またまたご謙遜。色摩もあんたの姿バッチリ見てたみたいだしね」



「え、色摩君が?」



用事が終わったのかな?



「あんたが着替えてる時から一人で体育館上のギャラリーで見てたみたいだし」


静が上を指差す。そこにはもう色摩君の姿はどこにもない。


「何ニヤニヤしてんのよ」


「な、何でもないよ」


嬉しくないわけがない


色摩くんが、わたしを見てくれてたなんて。