「でも、」


これからもちょくちょく抜けないといけなくなるし、顔を出せる時には行きたいんだよね。


「四月朔日」



色摩君の声に、小山君が顔をしかめる。


「なに」


「一緒に体育館に行く」


「う、ん」


行こう、と手を取られて教室を出る。


色摩君はどういうつもりでこんなふうに私の手を取ってくれるんだろう


体育館までの道のりも、私の手を握ったままで。


そんなんだからみんなが私達を、と言うか私を見ている。


「あ、のね色摩くん?」


「なんだ?」


きっと色摩くんは知らないんだ。


自分にこれだけ視線が集まるのを。