~桜花~



「車もすり抜けるぞ」

「わかってるよ」


「なら怖がる事もないだろ」



そ、りゃあそうだけど!


色摩君が走り出したのを見て私も走り出す。



跳んで走って、跳ねてーー

剣を鬼の前に向ける。



「舞吹雪け、桜麗剣!」



剣を振り下ろすと同時に桜の花びら達が一斉に鬼へ向かう。

けど、

鬼はすっと交わし、こちらに視線を向けてきた。


桜麗剣が効かないなんて



私の出せる技はこれだけ。