黒猫ちゃんの憂鬱5






「俺はッ・・・!!」




自分の思いを、伝えようとした時。





ミステリアスな匂いが私を包む。





匂いだけで、分かる。





カエデだ・・・。





でも、もうひとつ匂いがある。





それは・・・




『おお。修羅場!俺こういう修羅場大好物なんだよね~』




甘い、お互いが反比例している果物のような香り。







私の目を、カエデの手が包む。




後ろから抱きしめられ、もう一方の手で私の冷えた体を包んだ。