『ごめんね、巻き込んで』 「え?あ、や。だいじょう・・・ぶ?」 少しだけカエデから香る、ミステリアスな匂い。 その香りがスッと鼻を掠めた。 『ん?どうした?』 「いや・・・。何か・・・」 『何か、・・・?』 「何か、見たような気がした」 肩を抱かれている時、匂いを嗅いだとき。 ふ、とカエデを見たとき。 右に視界に入った黒い髪。 それは短く、ショートヘアに見える。