「やめ、やめっ……ッ……ぃゃだッ」 「お前は女を殺したんだろ?」 「俺はッ……殺してないッ……やだやだッ」 前嶋は恐怖と寒さに体を震わせながら、容疑を否定しているが、僕たちは間違っていない。 「うるせー。お前が殺したの知ってんだよ」 火茂瀬は足元にある前嶋の顔に睨みつける。 「始めるぞ」 ナイフを握り直す。 右手に握った鋭く光るナイフの切っ先を前嶋の臍にあてがう。