「殺人課の刑事が何言ってるんですか。執行人より先に犯人見つけて逮捕するんです」

「立派になったな!!俺は嬉しいぞっ!!」

オーバーアクションで泣き真似をする白城を、またかという思いで見つめる。

「よし!その為には証拠見つけないとな!!」

顔をばっと上げ、一人で意気込む白城は近くで指紋を採取している鑑識に話し掛けに行った。

白城は時々変な事を言う面白い人で、優しくて信頼している兄の様な存在だ。

僕は鑑識の隣にしゃがみ込んだ白城に歩み寄る。

「ん〜……出なかった」

眉毛をハの字にした白城が僕を見た。

「……にしても、酷いな。関節一つ一つ折られて、凄い痛かっただろうな……」