さらりと言い切った火茂瀬にビックリして、思わずヘルメットを落としてしまった。

「あ、でも練乳は買ったし、なんとかなると思いますよ」

“練乳”という言葉に、落としたヘルメットを拾おうとした手が止まる。

「れ、練乳!?」

「AVでも使ってるみたいだし、偽装は出来ますよ」

火茂瀬は僕が拾い上げたヘルメットを取り、慣れた手付きで僕にヘルメットをかぶせた。

「計画立てないで誰かに目撃されたら終わりだぞ?」

殺人は遊びじゃないんだ。

適当に殺っていては掴まってしまう。

僕は今まで、一人を殺す計画を立てるのに、何日も時間を費やした。