「はい、メット。しっかり掴まってて下さいね?」

火茂瀬はピカピカの黒いヘルメットを渡して来た。

今夜は計画を立てるつもりで仕事終わりに火茂瀬の家に来たのだが、何故か家には上がらず。

「なぁ、僕は計画を立てたかったんだ。無計画なんて無理だ」

ヘルメットを突き返す。

「お互い殺り方分かってるのに、何が無理なんですか?」

突き返されたヘルメットには見向きもせず、火茂瀬は色々なステッカーが貼られた赤いヘルメットをかぶる。

「今回はただ殺すだけじゃないんだぞ。犯さなくちゃいけないんだ。お前ちゃんと考えてるのか?」

「考えてませんよ」