「ブラックで良かったですよね?」

「あぁ。ありがと」

ソファーに座り、熱いブラックコーヒーを受け取る。

話がしたいと火茂瀬からの誘いで仕事が終わってから、火茂瀬の家にやって来た。

「……話って執行人の事?」

コーヒーを啜りながら、火茂瀬の言葉を待つ。

「今回、執行人は動きますか?」

僕の目を真っ直ぐ見る火茂瀬は、僕が髪の長い女の時だけ復讐することを知らないようだ。

「僕は美人が殺された場合、全ての女性の代わりに復讐するわけじゃなくて”長髪”の時だけに限るんだ」

「……長い、髪……」