手帳を閉じると遠くから足音が聞こえた。

見るとコンビニ袋を持った火茂瀬が居た。

「どこ行ってたんだ?」

隣にしゃがみ込んだ火茂瀬に聞く。

「おっさんに差し入れ」

袋からガサゴソと湯気が立ち上る肉まんと温かい缶コーヒーを取り出し、小倉に差し出した。

「ここ、さみぃだろ?」

火茂瀬は気が利くやつでした。