「それも……ですけど、唾液と精子が発見されています」

文字を書く手を止める。

「死体の様子からも強姦の可能性が高いですね。にしても、証拠を残すなんて、相当捕まらない自信があるんですね」

今回の被害者も容姿の良い長髪の女性。

僕はいつも死体の状態や殺害方法を書きとめながら、犯人を殺す計画を立てている。

だが、僕が男を犯すわけにもいかないし、今回はどうしたものか。

「DNAを調べて、その体液が全て同一人物か、DNAが一致する者が居ないか調べておいて下さい」

朝三に頭を下げ、さっきから姿の見えない火茂瀬を探す。

「梓せんぱーい!!こっちです!!」

叫ぶ火茂瀬の声を頼りに、更に入り組んだ路地へ入る。