助けなくてもいいのだろうが、どうも亀井の子供みたいな性格には甘くなってしまう。

「四方木様!梓様!ありがうございます!!課長に怒鳴られなくて済む。今度肉奢るわ!!」

何度亀井に食事を奢ってもらったことか。

その数だけ僕が亀井を助けてしまっている。

そろそろ止めないとな。

Brrrrrrrrrrrrrr……

部屋に戻ろうとすると、コートの内ポケットに入れたケータイのバイヴが震えた。

目で先に戻るように亀井に合図をして、ケータイを取り出す。

大きな液晶には“大腹課長”と映し出されていた。

「はい、四方木です」