いくら不定期とはいえ、僕との時間が空き過ぎだ。

見回りの時間は決まってはいないので、白城や他の刑事は何時に誰が見回りをしているかなんて知らない。

……それを利用してサボったな、あいつ。

「最後の仕事なのに捕まえられなかったな。犯人解ったのに……桑月を殺したのは100%執行人だろ?何で俺たちより先に犯人が解るのんだよ」

助手席に座った白城は流れる車窓を見つめながら、悲しそうにボヤいた。

「内部の人間なら犯人が解ってすぐ行動するでしょうが、今のところ執行人は僕たちが犯人の情報を探している間に殺しています。強いて言うなら鑑識とかですかね?」

トンネルに入り、オレンジ色のライトが車内をチカチカと照らす。

「鑑識ねぇ……。ってかさぁ刑事の俺が言うのもおかしいけど、執行人なんて捕まえなくていいと思うんだよね。女一人殺したって犯人が死刑になるわけじゃないし。間違った世の中に訴えてるんじゃないのかなって思うんだ」

何も知らなければ執行人に対して、そんな考え方もあるのか。

執行人である僕はそんな理由で犯人を殺してなんかいない。