「桑月一。こいつ捕まえるのが俺たちの最後の仕事だ」

白城が扉の前に立つ僕の肩に手を乗せた。

僕は無言で頷いた。

だけど僕たちの本当の最後の仕事は、死体となった桑月が藤山真綾と同じ死に方かを確認する事。

僕たちは、もう桑月を捕まえることは出来ないのだ。

頷いた僕の顔は曇っていたと思う。

「桑月はどこに?」

「刑務所出た後は実家暮らしのはずだ」

「逮捕上出てますよね?住所は分かりますし、行きましょう」

コートのポケットに入れた愛車のキーを見せる。