「その結界は普通の人は入れない?」

「今までこんな事無かったんで解んないッスけど……多分入れないと思います」

「じゃぁ僕は普通じゃないから入れたんだな」

自分の秘密を言わなくても良かった。

“何でだろうね?”で知らん顔してても問題は無かった。

でも、火茂瀬の秘密を聞き出して、自分は何も言わない事に罪悪感を感じ、彼に伝える事にした。

“信じられない事もあるかも”と言っている時点で最初から火茂瀬に話す気でいたのに気付き、自分に苦笑いをした。

「……それどーゆー意味ですか?」

警戒する火茂瀬は眉を寄せた。

「僕には死体に触れると犯人を含め、死に至るまでが見える力があるんだ。そして犯人が解ったら、その犯人の気配を感じ取る事が出来るんだ」