「お、お前……刑事、なのか?……刑事が、人殺して……いいと、思ってんのかッ!?」
俺はゆっくりと両手に力を入れて、細い縄の両端を左右に引っ張る。
「じゃぁお前には、ここで女を殺す権利があったのか?」
顔を真っ赤にして、酸素を取り込もうと必死に口をパクパクさせている男に問う。
「……うッ……グッ……グァッ……」
「あ?聞こえねーよ」
細い縄を引っ張り続ける。
「……ァアッ……なッ……グワッ……」
「無い?……あぁそうだろうな。誰も、んな権利持っちゃいねーんだよ」
手足を縛り、寒さで動けなくなっている無抵抗な男を殺すのは簡単だった。



