「信じよう」

マグカップを置いて、正座をしている火茂瀬の目を見る。

「俺……今まで頼まれて犯人を殺してたんです」

「誰に?」

少しの沈黙のあと、ゆっくりと口を開いた。

「……殺された……女、たちです」

またしても、僕は自分の耳を疑った。

「俺、昔からすごい霊感あって……姿も見えるし、声も聞こえて。だから女の霊が寄って来て俺に殺してくれって頼むんです」

俺は黙って半信半疑で聞く。

「俺自身、人を殺して生きてるやつ許せないし……だから引き受けたんです」