梓さんは頬の傷を縫い、傷口が開くといけないので自宅安静を命じられていた。

最低限の外出以外は認められておらず、山梨へ行くことも許可されていなかった。

2時間ほどで目的地であるお寺に到着した。

県警に案内され、長い石段を登る。

左太ももの傷が治っていない為、歩くと傷口がじんじん痛む。

『山の中にお墓がいっぱいだね〜』

みゆきは俺の横を浮遊しながら、辺りを見回している。

「こちらです」

俺たちは一つの墓の前に案内された。

「ご苦労様です」