トリガーに置かれた萌の人差し指に自分の親指を重ねる。

僕たちはずっと一緒だ。

「僕もそっちへ行くからね……」

親指に力を入れるが、白城の言葉を思い出した。

『あとでお前も手当を受けろよ』

僕は手当を受ける約束で、ここで萌と一緒に居るのだ。

僕は血だらけの手で涙を拭い、萌の手から拳銃を取り上げた。

そして頬の手当を受ける為に、萌を抱き上げ部屋を出た。