白城はそれだけ言うと、部屋から出て行った。

萌と2人きりになる。

正確に言うと萌の死体と僕だ。

出血が止まり、血でべたべたする萌を強く抱きしめ直す。

血が抜けたせいか、少し冷たくなった気がする。

萌は死んでいるんだと痛感させられる。

僕の涙は萌の肩に落ち、その雫はだんだんと血を含み赤くなりながら腕を滑り落ちて行く。

こんなにも泣いたのは、いつぶりだろう。

この涙を止める術を僕は知らない。

歪む視界の中で、拳銃を握る萌の右手を持ち上げる。

そして銃口を自分の喉に当てた。