萌の後頭部は衝撃で破裂していた。 「おい!萌ッ!!目を開けてくれッ!萌ッ……」 即死なのは分かっていた。 でも萌の死を素直に受け入れられなかった。 萌の首に空いた穴と口から、血が湧き水の様に溢れ出し、僕のワイシャツとスラックスを染めていく。 「も、え……もえ……」 泣きながら萌に呼び掛ける。 もちろん、返事など返って来ない。 「あぁ……萌……ッ……これで、本当に……僕は独りじゃないか……」 萌を強く抱きしめながら涙を堪える事は出来なかった。