萌はニッコリと笑ってくれた。 それはもう一度見たいと願った僕の大好きな笑顔だった。 「それじゃぁ……梓、またね」 愛を確かめ合ったところで、別れは突然だった。 「やめろッ萌ッ!!」 僕の叫び声と弾丸が萌の喉を貫いたのは同時だった。 ヒツキの悲鳴は喉を貫いた事により一瞬で消えた。 萌の口から溢れ出した血が床に落下し、びちゃびちゃと水音を鳴らす。 「萌ッ!!」 僕は駆け出し、萌をしっかりと抱き止め、そのまま一緒に血だらけの床に膝から崩れ落ちた。