また萌が苦しんでいるのに、僕には何が出来る!? その答えを先に出したのは、萌だった。 「ちょッ!?アンタ……ふざけんじゃないわよッ!?」 銃口が僕から遠ざかる。 肘が曲がり、銃口は上を向く。 最初は僕から銃口を逸らしているのだと思ったのだが、萌の意図を悟り鳥肌が立った。 「萌、嘘だろ……?」 銃口は萌の喉に向けられていた。 「ごめん、ね……」 それはヒツキではなく、萌の声だった。