白城は部屋を飛び出した。

廊下で驚いた様子の青ざめたマスターと一瞬、目が合った。

そしてマスターは白城を追うように廊下から消えて行った。

僕は火茂瀬に支えられ、血が溢れ出す頬を抑えながら、起き上がる。

「萌を……返せ……」

僕は銃口を此方に向けるヒツキを見上げる。

「イヤよ……この子は私が守るの。貴方たち3人を殺して、私は依頼を続けるわ」

「ふざ……けるな……」

頬が痛いせいで奥歯を噛み締めてしまい、上手く喋れない。

「ふざけてなんかないわッ!!私はこの子の為にしてるのッ!邪魔しないでッ!!」