背後から困惑する火茂瀬の声が聞こえる。

「そんな事も知らないで、よくコピーキャットやってたな」

僕は階段を駆け下りながら説明する。

「今回ここで殺された女は執行人が動く条件を満たしている。だから今夜から不定期で見回りが来るようになってるんだ」

1階まで一気に駆け下り、その勢いのまま火茂瀬を車に乗せた。

「とりあえず僕の部屋で話そう」

「あの、ここからなら俺の家が近いです」

遠慮がちに火茂瀬が僕を見る。

「そうか。じゃぁ案内してくれ」

火茂瀬の案内で僕等を乗せた黒の愛車は8階建てのマンションに着いた。