「その事は私も気になって、以前、彼女に聞いたことがあります。でも彼女と執行人の繋がりは無いそうです。“たまたま”と彼女は言っていました」

これはマスターや歌姫が言っている事が正しい。

「じゃぁ、それを」

白城先輩の言葉を遮って、二階から銃声が聞こえた。

「梓さんッ!?」

「梓ッ!!」

俺と白城先輩は急いで二階へ向かった。

その後ろを慌てた様子でマスターもついて来る。

相手が拳銃を所持している事など考えず、一気に扉を開けた。

「梓ァ!!」

「梓さぁんッ!?」

梓しんは顔を抑えて、うつ伏せで倒れていた。

梓さんの顔はよく見えなかったが、顔を抑えている手や床に血が付着していた。