大腹課長の部屋で紹介された火茂瀬真斗のものだった。

コピーキャットの正体……。

「お前だったのか……」

部屋の前に立ち、桑月の顔から手を放した火茂瀬の背中に思わず声を発してしまった。

僕の声に体をビクッとさせて、こちらに振り返った。

「なん、で……」

火茂瀬は僕の姿を見て、目を見開いた。

「話は後だ。早くここを出ないと見回りが来る」

僕は放心状態の火茂瀬の腕を掴んで立ち上がらせると、強引に部屋を出た。

「あっちょっと……み、見回りって……?」