「君は……一体……?」

「私はヒツキよ」

「君はヒツキじゃない。目を覚ませ、萌……戻って来るんだッ!!」

拳銃を突き付けているヒツキの目を見ながら、奥に閉じ込められている萌に叫びかける。

「今更、助けようとしないで。“この子”を助けたのは私よ」

ヒツキは左手を後頭部に回し、紐を解く。

「この子の大好きな貴方だから死ぬ前に本当の事、教えてあげる」

仮面が音を立てて、落ちた。