「かしこまりました」 グラスを拭いていたマスターは僕のカクテルを作る為に、僕に背を向け、棚に並ぶ酒を選び始めた。 その隙に火茂瀬の元へ急ぐ。 ヒツキ……どうして。 “日月”こんなにも名前の由来が簡単だったなんて。 君に何があったか分からないが、今度は助けてあげる。 今でも、君を愛してるよ。 「萌ッ!!やめろっ!」 部屋に飛び込んだ僕を、仮面を付けた萌は口を開けて驚いた顔で見つめていた。 「あうははん、おほいえふよ」