仕事の話となると、笑っていたのが嘘の様に真剣な顔になる。

「今日はもう遅いし、すぐには無理だな」

「不良の溜まり場だと、色々面倒そうですね」

「仕方ない。鍵閉めたって入って来るから。むしろ鍵掛かってる方が好ましいから」

俺も若い頃は~と白城は、ありもしない昔話を始めた。

有名大学を成績優秀で卒業した彼が不良だった時代なんて存在しない。

後輩の僕はよく知っている。

「さて、帰るかなぁ」

白城は立ち上がりケータイで時間を確認する。

「最近、子供の寝顔しか見てないや。休み欲しいなぁ」