「ねぇ……」

ヒツキはワイングラスを置き、自分の後頭部を手を伸ばした。

だんだんと俺の視界がぼやけて、目の前が見えにくくなってきた。

「私、綺麗?」

ヒツキが仮面を外した。

だが俺にはもう見えない。

隔離された俺の意識は眠ってしまった。

目を覚まし、体に感覚が戻ったのは、駐車場で梓さんに殴られた時だった。