火茂瀬を見るとニヤニヤしながらヒツキの後ろ姿に手を振っている。 「……お前」 「歌姫も俺の魅力には勝てなかったって事っスね」 ドヤ顔がムカつく。 「貰っちゃいました」 火茂瀬は小さなカードを僕に渡してきた。 香水がほんのり香るそのカードには『2Fで待ってるわ♡』と綺麗な字で書かれていた。 「よかったな」 これで真犯人を捕まえることができる。 「梓さん、ここに居ますか?」 「帰りたいとこだが、お前を送らなくちゃいけないだろ?待ってるよ」