『ここだよ』

文月に案内され、僕の車でやって来たのは都内のネオン街。

車から降りて歩みを止めたのは、他の店と何ら変わらないネオン看板が眩しいBARだった。

「こんな看板ピカピカしてるのに危険な店だなんて……」

「木は森に隠せって言うだろ」

地下に入り口があるので、狭い階段を下りる。

地下の狭い通路を進むと扉の近くが広くなっていて、そこには黒いスーツ姿で黒いサングラスを掛けた背の高い男が立っていた。

『あの男に、俺から紹介されたって言えば中に入れる』

文月が顎で男を指す。

「会員証を」