「なぁ……火茂瀬」

僕は火茂瀬の顔と同じ高さの空気である部分を見つめる。

「なんスか?梓さん」

いや……これは嘘だ、幻だ。

そんなはずはない。

「お前の隣……何か居るか?」

僕には今、この世の者ではない者が見える。

真栄城奈々美が見えるのだ。

「居ますよ?」

「っ!?」