「誰に?」 俺が執行人じゃないと解ったからなのか、すーっと離れた奈々美の腕を咄嗟に掴む。 『人……じゃないわよ』 一瞬驚いた顔をして、困った様に呟いた。 申し訳ない気持ちになり、掴んだ腕を放す。 「あ、ごめっ……驚かせるつもりはなくて。あぁ、いや、良かったぁ……。焦ったぁー……」 元々は噂好きの霊が広めたのがキッカケで依頼が来るようになったのだ。 疲れているせいで頭が働かなかった。 『貴方じゃ……殺せない?』 奈々美は突然泣き出した。