背が小さい彼女は困った顔で僕を見上げる。 警察手帳を見せると、小さな悲鳴を上げた彼女は口元を両手で押さえ、眉間にシワを寄せる。 「君島漣はどこに居ますか?」 「せ、洗面所に……」 彼女は目に涙を溜め、震える指先で暗い部屋の奥を指す。 玄関から洗面所は確認できなかったが、光が漏れているのが見えた。 「失礼します」 そう言って革靴を脱いで上がる。 僕に続いて4人の部下が家に上がった。 「どーした?」