「えっ」

抱き付いたままだったが、火茂瀬は僕の視線を辿り、3人を見た。

だが、車から漏れる僕等の声に気付いたのか、気まぐれなのか、銀髪男の文月奏振り返ってしまった。

文月は僕等を視界に捉えた。

しまった!!

この状況をどう乗り越えようか考えていると、強引に顔の向きを変えられ、唇を塞がれた。

火茂瀬にキスされたのだ!!

『うわ、ホモだッ!!』

文月の声に前を歩いていた2人も振り返る。

文月は前を向いて、先行く2人の元へ走って行ってしまった。