刺し殺す様な視線を向ける。 「すいましぇん……」 助手席で叱られた子犬の様に小さくなる火茂瀬。 「……ちょっとだけだぞ」 居酒屋の出入り口から3人が出て来ないか見張りながら、隣の火茂瀬に言う。 「へ?」 マヌケな声を出す火茂瀬が僕を見ている気配がしたので、隣に視線を向けると目が合った。 「3人の様子を見に行くだけだ」 そう言うと一気に表情が明るくなった。 キラキラと効果音が付きそうだ。