車内のゴミ箱に捨てられたあんぱんのビニール袋に目を落とす。

牛乳パックも捨ててあった。

ギュルギュルと火茂瀬の腹の虫が鳴く。

「よし!」

「なんだよ、いきなり」

嫌な予感しかしない。

「俺たちも居酒屋に入りましょう!?」

「無理だ」

即答する。

「お願いですよぉ。お腹ペコペコで死にそうなんですって」