「仕事終わりはこの店に来ることが多いのかもしれない。昨日の事を考えると後1時間は出て来ないな」 助手席から溜め息が聞こえてくる。 「明日も、朝から張り込みですか?」 「そうだ。しばらく張り込みだな」 「そんなぁ〜」 火茂瀬は先程よりも大きな溜め息を漏らす。 あからさまに肩を落とし、全身で残念がっている。 「あ〜腹減ったぁ」 火茂瀬は自分のぺったんこな腹を見つめながらさする。 「あんぱん食べてただろ」