藤川大地が自首してきてから2日が経った。

弓矢から検出された指紋と藤川の指紋が一致した。

最初は弱々しい藤川が殺人を犯したと信じていなかった人たちが殆どだったので、指紋が一致した事に驚いていた。

逮捕する順番を逆にする理由を話すと意見されることなく了承された。

「いつ出てきますかね?」

火茂瀬があんぱんを口に含みながら呟く。

僕と火茂瀬は、文月奏、君島蓮、真南眞一郎の3人が仕事終わりに立ち寄った居酒屋を見張っている。

「まだ入って1時間も経ってないぞ」

「昨日もこの店に入ってましたね。可愛いバイトの子でも居るんスかね?」

ズルズルとストローで牛乳を飲み干す。