藤川は涙を流し始めた。 「本当に貴方は殺意を持って、殺したのですか?」 藤川は紺色の袖で涙を拭う。 「本当の事を話してください」 止まりかけた涙が再び頬を伝う。 「ぼくは……殺したく、なかった。ただ、ただ妹を守りたかったんだ」 藤川は声を上げて泣き始めた。 「親を早くに亡くして、僕の家族は妹だけだった。大切な……妹を……あの3人から、守りたかった」 火茂瀬が鼻をすする。 チラッと隣を見ると一緒になって涙を流していた。