藤川は悪くない。 でも、このままでは全ての罪を藤川が背負う事になってしまう。 事情聴取は録音されているので、僕らは下手な動きは出来ない。 「殺したから殺したんだ。他に理由はない」 声が震えている。 再び目に涙が溜まる。 「貴方1人で犯行に及んだのですか?」 「ぼ、ぼくが1人で殺ったんだ」 「失礼ですが、僕には貴方が人を殺す様な人間には見えないのです。とても優しそうに見えます」 「ぼくは……ぼくは……」