お願い、やめてっ!

矢を引っ張る右手を放したら私は死んでしまう。

お願い、放さないで。

青年はレンズの割れた眼鏡越しに私を見つめる。

『ごめんなさい……ごめんなさい……』

震える唇で小さく呟き続ける青年。

定まらない矛先が私を見つめる。

『んんんッ!!……んんッ……んんんッ!!』

『ごめんなさいっ……ごめんなさいっ……』