よたよたと歩いていると、いきなり声を掛けられた。

転ばない様に足元を見て歩いていたので、人が居たなんて気付かなかった。

『あの神社の巫女さん?』

『重たそうなの持ってんねぇ。手伝ってあげるよ?』

ヘラヘラと笑う3人組の若い男が近寄ってきた。

見るからに近付きたくない部類の人間だ。

よく見ると防寒の為なのか、3人とも軍手をしていた。

巫女だと勘違いされるのは嬉しいのだが、声を掛けられる事は望んでいなかった。

『いえ、これくらい大丈夫です』

そう言って私の目の前に居る銀髪男を避けようとした。